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シャルルの法則とは何か【化学】【高校】

皆さんこんにちは!

今回はボイルの法則に続いて気体に共通する法則であるシャルルの法則について解説していこうと思います。

ボイルの法則については下の記事をご覧ください。

study-college-student.hatenablog.com

 

それでは今回も最初にシャルルの法則の形を見ておくことにしましょう。

V=k_2T

もしくは

\dfrac{V}{T} = k_2

(k_2は一定)

 

それではこの式は何を表しているのか見ていくことにしましょう!

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定義

まずはシャルルの法則の定義から確認していきましょう。

圧力一定の時、気体の体積Vは温度Tと比例の関係にある。

 

ここで注意してほしいのは

○圧力が一定であるということ

○温度の単位が°Cではないということ

この二つです!

シャルルの法則について詳しく説明していく前に温度の単位について説明しておきます。

^\circCではない温度の単位と聞いてピンと来た人は少し飛ばして続きを読んでみてください。

 

絶対温度とは

化学の世界では温度の単位として^\circC(セルシウス温度)ではなく、絶対温度K(ケルビン)を使います。

この世の中の分子たちは人間と同様にエネルギーをもとに動き回っていますが、温度を下げていくことでこのエネルギーが徐々に小さくなっていきます。

いずれエネルギーがなくなるときの温度を絶対温度と呼び、これは-273^\circCであるといわれています。

絶対温度はこの絶対零度を0Kとしたときの温度を表したものです。

つまり0K = -273 ^\circ Cと定義されています。

 

これより温度の単位の変換はセルシウス温度t[^\circC]を絶対温度T[K]にすると次のような式が成り立つということになります。

 

T = t + 273

 

セルシウス温度に273を加えるだけです!

この273という数字をしっかり覚えておきましょう!

 

問:それぞれの温度を絶対温度に表せ。

(1)23 ^\circ C   (2)-100 ^\circ C

 

 

答え:

(1)300K    (2)173K

 

それではシャルルの法則の話に戻っていきます。

 

シャルルの法則の意味

圧力が一定の時、体積と絶対温度が比例の関係にあるとはどういうことでしょうか。

 

比例ということですから

絶対温度が2倍、3倍......となると体積も2倍、3倍......になる

ということですね。

 

これは身近な現象でもあります。

 

例えば、「コンビニ弁当や袋に入ったパンを電子レンジで加熱した際に爆発した」という経験はありませんか?

まさにあれがシャルルの法則ですね。

加熱したことにより内部の気体の体積が膨張し爆発します。

(水蒸気による影響もあるとは思います。)

 

気体も目には見えないサイズの分子たちの運動です。

分子たちは熱をエネルギーとして活動をしています。

私たち人間がご飯をたべ、エネルギーにし活動をしているのと同じです。

 

絶対温度を上げ、エネルギーを受け取った分子たちは前よりも激しく運動をします。

それにより気体の体積が大きくなるのです。

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では簡単な例題を見ていきましょう。

 

例題

問:圧力一定の条件で、27 ^\circ C3.0L127 ^\circ Cまで加熱すると体積Vは何Lとなるか。

 

圧力一定なのでシャルルの法則を使うことができます。

今回の問題をよく見ると温度の単位が絶対温度ではありません。

ここに引っかからないように気を付けてください。

 

27 ^\circ C \to 300K

127 ^\circ C \to 400K

 

300Kから400Kに変化したということは\dfrac{4}{3}倍になったということです。

 

よってシャルルの法則より、体積も\dfrac{4}{3}倍になります。

したがって答えは、

 

3.0 \times \dfrac{4}{3} = 4.0 L

 

まとめ

○シャルルの法則

「圧力一定の時、気体の体積と絶対温度は比例の関係」

絶対温度

 T[K = t[^\circ C] + 273]

 

 

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