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手作り梅酒と化学の話【浸透圧】【高校】

皆さんこんにちは!

関東は梅雨ですが気温がだいぶ高くなりじめじめしてきましたよね。

そんな時期に梅ジュース(梅酒)を自分で作ってみようと考えている人も多いと思います。

なので今回は梅ジュース(梅酒)作りと化学の関係性について書いていこうと思います!

 

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梅酒作りと浸透圧

梅酒を手作りする際に何を入れるかご存じですか?

当然、梅とお酒は入れるのですが、あともう一つ必須の材料があります。

 

それが、氷砂糖です。

 

この氷砂糖はただ甘くする目的だけで入れているわけではありません。

さらに、普通の砂糖ではいけない理由もあります。

 

その理由について化学の観点で話していきたいと思います。

 

そのために必要なキーワードが浸透圧です。

 

浸透圧って??

では先に浸透圧の話をしていきます。

 

浸透という言葉は日常でもよく使われますが、この言葉はどんな意味なのでしょう。

 

化学では「半透膜と呼ばれる小さな穴の開いた膜を通り、水分子が移動する現象」のことを浸透と呼びます。

 

このときの水分子の移動の方向が重要で、その方向は「薄い方から濃い方」です。

 

薄い溶液から濃い溶液の方へ水が動くとしっかり覚えてください。

大事なことなので2回言いました(笑) 

 

図を使ってもう少し詳しく説明していきます。

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今、図のようにU字型の管を半透膜で区切って、純水と薄いデンプンの溶液を入れたとします。

 

先ほど説明した通り浸透が起きるのですが、水分子の移動の方向は「薄い方から濃い方へ」でした。

 

よって今回は純水側の水分子が水溶液側に移動します。

 

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水分子が移動したことにより、純水の液面は下がり、水溶液に液面は上がります。

 

しかし、実際にこの状態のまま止まるということはありません。

 

ここで高さをそろえるために、水溶液の液面に力が加わりますf:id:study_k:20200624084734p:plain

この時加えられた圧力のことを浸透圧と呼びます。

 

梅酒(ジュース)の場合

では梅酒の場合で考えてみましょう。

 

最初に梅と酒と氷砂糖を容器の中に入れます。

 

この段階では梅の中の方が濃いので、外側の酒が梅の皮を半透膜として、梅内部に向かって浸透していきます。

 

しばらく時間がたつと氷砂糖が解けていきますよね。

 

そうすると酒側の濃度が高くなります。

 

内部の梅の味が染みたおいしい液体が今度は外側に向かって染み出てきます。

これでおいしい梅酒の完成です。

 

これが氷砂糖ではなく普通の砂糖を使ってしまうと最初からお酒側の濃度が高くなってしまい、十分に梅の味が出てこないのです!

 

まとめ

このように科学の考え方が日常でも使われているというのはとても面白いですよね!

皆さんもこの暑い夏、梅ジュースを作りながら化学の勉強をしてみてはいかがでしょうか。

 

 

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